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渡邉朋也個展「信頼と実績」

2017年1月7日(土) - 1月29日(日)

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展覧会概要

タイトル: 渡邉朋也個展「信頼と実績」

会期: 2017年1月7日(土) - 1月29日(日)

時間: 平日 13:00-20:00/土日祝 12:30-20:00 会期中無休・入場無料

会場: ARTZONE

企画: きりとりめでる

◇展覧会概要
ARTZONEにて、渡邉朋也の関西初となる個展「信頼と実績」を開催いたします。
渡邉朋也(1984〜)は、最先端技術などにより無意味な行為を膨大に反復し、荒唐無稽な与太をなすことで、現代の技術革新における合理性や簡便さに疑問を投げかける作家です。フライヤーのメインビジュアルとなっている《荒んだ食卓を極力直そう》は、3Dプリンタによって、なくした割り箸の片割れを手元に残った割り箸から作りあげたものです。本作で渡邉は、荒んだ世界を目の前の食卓から少しでも直そうとしており、高度なデジタルファブリケーション技術によって非合理的に割り箸の秩序を回復しています。


タイトルとなる「信頼と実績」は、行為の積み重ねによって信頼を勝ち得てきたことを表す常套句ですが、転じて、「信頼を得たいときの宣伝文句」ともなってきました。渡邉の作品は一見寡黙で、何の情報も観賞者に与えないように思えます。しかし彼の作品は、途方もない反復行為やたゆまぬ技術修練によって、偶然の出来事を再現するという奇跡の実現でもあり、常態化しつつある様相を創造的に反復することで達成される批評行為でもあります。


本展は、これまで断片的に紹介されてきた、立体や映像、平面など約130点を豊富に取り揃え展示しております。渡邉自身が出展作について今回キャプションを制作しており、これまでの実績を直に精査していただける貴重な機会となっております。ぜひご覧ください。


 


◇展覧会の見どころ
1.ポストインターネット時代における重要作家、渡邉朋也の関西初個展
ポストインターネットとは2008年に現れた言葉で、広義には「インターネットとリアルがシームレスとなった環境、感覚」を指し、美術において狭義には、「インターネットと現実を区別せず、インターネット世界を現実へ持ち込む所作」を指します。渡邉は2000年代より、インターネットの台頭により当時低迷し始めたテレビなどの一方向性の強いメディアに、観賞者とのインタラクティビティを組み込んだインスタレーション作品《IAMTVTUNERINTERFACE》を発表するなど、早い時期からインターネットと物理世界を衝突させてきた、ポストインターネットにおける重要な作家と位置付けることができます。


2.過去最大規模の個展、豊富な品揃え
2010年代に入ると、渡邉はインターネットを物理世界において脱構築することから次第に離れ、テキスト作品《なべたんの極力直そう》などを発表し始めます。この作品は3Dプリンタなどの一般化に伴い隆盛し始めたデジタルファブリケーションへの批判意識を内包しています。また、ホームセンターで買った板に自分のような人相を認識した《自画像》では、「わたしたち自身の中にもあるコンピュータ性」をユーモラスに示す作品を展開し、「人間らしさ」や「コンピュータ的」といった境界を曖昧にしていきます。「信頼と実績」では、インターネットとリアルとを区別しないポストインターネットのその先とも言える2010年代の作品を中心に構成し、約130点を出展します。


3.渡邉による懇切丁寧な作品にまつわる記述
本展「信頼と実績」は、2015年に東京神保町SOBOで開催された展覧会「科学と学習」をベースに、渡邉自身による作品の記述とともに拡張・再構成されたものです。渡邉はDMM.makeのウェブ連載「なべたんの極力直そう」、「メディア芸術アーカイブス」(2012,BNN新社)をはじめとした文筆業も多く、渡邉の軽妙ながら喩えが多く構造性の高い記述は必読です。「科学と学習」では作品名以外一切の文字情報が存在しませんでしたが、本展では、作品と制作にまつわる記述を懇切丁寧に行います。


 


◇関連イベント
トークショー
「アートと計算(コンピュテーション)」
日程:2017年1月29日(日) 18:00–
入場料:無料
会場:MEDIA SHOP gallery
登壇者:渡邉朋也氏、秋庭史典氏、水野勝仁(司会)


 


◇作家経歴
渡邉 朋也 WATANABE Tomoya
1984年東京生まれ
2006年多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 卒業


コンピュータやインターネットといったメディアテクノロジーをベースに、インスタレーション、映像作品、ダジャレ、エッセイなどを制作する。近年の主な展覧会に、「フィットネス. | ftnss.show」(東京/2016)、「みえないものとの対話」(福岡/2015)、「マテリアライジング展Ⅲ」(京都/2015)、「Affekte」(エアランゲン,ドイツ/2014)、「光るグラフィック展」(東京/2014)などがある。


 


◇クレジット
企画:きりとりめでる
企画補佐:藤村南帆(京都造形芸術大学アートプロデュース学科)
企画協力:松谷容作、増田展大
スタッフ:市下純子、河野彩子、呉屋直、中川恵理子(京都造形芸術大学アートプロデュース学科)
共催:科学研究費助成事業研究課題名「ポストインターネットにおける視聴覚表現の作者性にかんする批判的考察」(課題番号15K02203)、京都造形芸術大学アートプロデュース学科、ARTZONE