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演劇に興味がある演劇人以外のアーティストのための基礎戯曲講座 前半

2015.6/13, 6/16, 6/19, 6/22, 7/1

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展覧会概要

タイトル: 演劇に興味がある演劇人以外のアーティストのための基礎戯曲講座 前半

会期: 2015.6/13, 6/16, 6/19, 6/22, 7/1

時間: 19:30〜21:30

会場: ARTZONE

企画: 岸井大輔個展『戯曲は作品である』関連イベント

演劇に興味がある演劇人以外のアーティストのための基礎戯曲講座 前半

参加費:
各回=1,000円
全日通し券=5,000円 ※岸井大輔個展『戯曲は作品である』関連イベント全てに参加頂けます。

▼アウトライン
演劇にも歴史と基礎があります。ポストモダンな現代、そういうことを知らなくてもまったく問題ないでしょうが、知っておくと演劇製作のアイデアが得られたり、鑑賞の視点が増えることは間違いない。演劇バカの劇作家岸井大輔が考えた、独断と偏見による、これだけは読んでおきたい戯曲下記9本を読んだ上で聞く講座の前半を岸井大輔個展『戯曲は作品である』に合わせて開講します。
毎回、事前に課題となる戯曲を読んでいただきます。講義があって、それからみんなで話ます。作品に演劇的要素をいれてみたい美術家や、パフォーマンスとか参加型作品を愛するお客さんが対象。1回から参加可能ですが、できれば最初から順番に受講すると面白いです。
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1 演劇史といえばシェークスピア ー「ロミオとジュリエット」
2 狂気といえばイプセン -「野鴨」
3 現代といえばブレヒト -「ガリレイの生涯」
4 古典といえばギリシア悲劇 -「エレクトラ」
5 日本でなら世阿弥 -「井筒」
6 影響力といえばベケット -「幸せな日々」
7 歌劇といえばモーツアルト、ではないんですが。 -「魔笛」
8 同世代ならサラケイン推しです -「4.48サイコシス」
9 演劇人が好きならチェーホフ -「かもめ」
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二ール・サイモンとか、ワイルダーとか、ギリシャ喜劇とかモリエールとか、ラシーヌとかレッシングとか、イヨネスコとかミューラーとか、取り上げたい作家はたくさんいるんですけど、あとは自分で読んでください、というのと、自分が作品を作るときにアイデアの元になりやすい作家を選んで見ました。
演劇論基礎とかもいずれやりたいです。詩学とか風姿花伝とかハンブルグ演劇論とか俳優の仕事とかバルトのラシーヌ論とかパフォーマンス研究とか演劇学への招待とか解放された観客とか。でも、まず戯曲。なお、希望者が5名以上いれば、今後も京都で6回以後を開講します。

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●第1回 前編『ロミオとジュリエット』は上演可能なのか?
2015年6月13日(土) 19:30— | 講師: 岸井大輔 | 1,000円

●第2回 後編『ロミオとジュリエット』は上演可能だった! —シェークスピア ロミオとジュリエット—
2015年6月16日(火) 19:30— | 講師: 岸井大輔 | 1,000円

参加条件は、シェアークスピアの『ロミオとジュリエット』を読んでくることです。誰の訳でもいいです。
最初に『ロミオとジュリエット(以下ロミジュリと約します)』を読むのは、この戯曲、有名な割に、上演しようとすると難しいことが知られているからです。
例えば
・少年と少女のラヴストーリーである。映画や漫画ならともかく、この長編を演じきれる少年少女の俳優を揃えられるのか?
・無駄に台詞の長い脇役が多い。ロレンスの薬草の台詞とか、マキューシオのマブの女王とか。カットしてもストーリー的には困らなさそうだけど、名台詞すぎて、この役になった俳優は言いたいんじゃないかなーということを考えるとカットしにくい。
・仮死状態をちゃんと演じないといけない。
などなど。
戯曲は「実際やるとどうなるかな?」を考えながら読む文学です。記憶や想像と向き合う小説、言語と向き合う詩との違いは、現実を考えることだと思います。長い戯曲講座の第1回なので、まず、一緒に実現を検討してみましょう。
ちなみに第2回は、ロミジュリ映画などを第1回参加者とみて、演出家とか俳優の仕事っぷりをチェックします。

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●第3回 イプセンは正気なのか?
2015年6月19日(金) 19:30— | 講師: 岸井大輔 | 1,000円

参加条件は、イプセンの『野がも』を読んでくることです。入手がちょっと難しい戯曲なので、参加される方は早めに手に入れてください。
イプセンは、「普通の庶民が主人公の劇」を確立した人です。テレビドラマなんかは基本的にそうなので当たり前と思うかもしれませんが、王様とか有名人でない人の日常を見せて劇を成立させるのは結構難しいんです。イプセンは庶民劇のアイデアをいろいろ考えついた人で、いまだに彼の作り出したスタンダードの上で私たちは劇を考えています。
「人形の家」の作者として有名ですが、ほかの戯曲も面白いことを知っていただきたいので、「野鴨」を扱います。狂気の設定を淡々と見せる辣腕に一緒におびえましょう!

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●第4回 ブレヒトは現実と対峙する。最大射程で。
2015年6月22日(月) 19:30— | 講師: 岸井大輔 | 1,000円

参加条件は、ブレヒトの『ガリレイの生涯』を読んでくることです。岩波文庫にも入っていて2013年に印刷されているので入手はそれなりに容易です。
ブレヒトは「現実の批評として機能する演劇」を確立した人です。ミュージカルも参加型演劇も社会活動をする表現者団も、すなわち現代的と言われるほとんどすべての演劇は、彼を通らずして考えることさえできません。あるいは、なんで、なんに向かって表現をするのかを考えるときブレヒト以上に引用される芸術家はいないでしょう。
読んで面白いなら『肝っ玉おっ母とその子どもたち』だし、影響力なら『三文オペラ』でしょうが、現実と芸術という現代アートの問題意識との共有を考え、第2次大戦の終戦を過ごしながら書かれた『ガリレイの生涯』を読みます。

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●第5回 ギリシアは命を問う
2015年7月1日(水)19:30— | 講師: 岸井大輔 | 1,000円

参加条件は、以下の3つの戯曲のうちのどれかを読んでくることです(どれかひとつでいいです)。

アイスキュロス『供養する女たち』
ソポクレス『エレクトラ』
エウリピデス『エレクトラ』

演劇にもっとも大きな影響を与え続けた古典はギリシャ劇でしょう。ことにエレクトラとその一家の物語はさまざまな時代に解釈を変え上演されてきました。劇を成立させる、共有された物語と習俗の典型とされてきたということです。こんな変な設定の家族がなぜ?という問いをたてたとき、あなたは客になっている。劇場を外から眺めるために、トラジェディーという呪いの構造を一緒に考えてみましょう。
面白さならオイディプス王ですし、命がけならアンティゴネーでしょうけれど、第1回ー4回で一緒に戯曲を読んできた皆様にはこの2作は講座をしなくてもじゅうぶん楽しめると判断しました。基礎戯曲講座の前半、基礎の基礎のまとめの回として、大雑把な西洋演劇史の話もします!